灰色の世界、虹色の君。


 カントーでハルアがヒジリに出逢ったそのころ。

 ジョウト・ワカバタウンに住むハルアの従弟・ゴールドもまた、不思議な少女を保護していた。

 シルバーという名の少女は、そのままワカバのウツギ博士の元に預けられることとなった。

 

 

 それから3年。 11才になったゴールドは、シルバーと、幼なじみの少年・クリスタルを連れて故郷を旅立つ。

 その道中でロケット団の残党に襲われるも、それを撃退。

 彼らはシルバーを狙っているようだった。

 

 

 その後、自然公園でエリアと名乗る少女と出逢い、彼女を仲間に加えてゴールドたちはジムを巡る。

 しかしシルバーがR団残党に拐われてしまう。

 助けに来るな、と叫ぶ彼女に逆らい、ゴールドたちは彼女を追いかけチョウジへ。

 地下に広がるR団アジトに足を踏み入れると、そこにはチャンピオン・ワタルの姿があった。

 ワタルはR団残党を倒しに来たと言い、ゴールドたちがシルバーを探していると告げると顔色を変え彼らに協力を申し出た。

 

 結果として、チョウジの地下にはシルバーはいなかった。 別の場所へ連れていかれた後だという。

 残党にその所在を吐かせると、彼女はラジオ塔へ連行されたという。

 

 ラジオ塔に辿り着くと、シルバーと、R団ボス・サカキが対峙していた。

 そして明かされる事実。

 シルバーはサカキの娘で、ワタルの妹であるということ。

 シルバーたちは【守護者(ガーディアン)】と呼ばれる一族の末裔であるということ。

 サカキはシルバーの能力を使い、伝説のポケモンを呼び出そうとしていること。

 

 シルバーはそれを嘲笑い、告げた。

「お前に伝説たちを利用されるくらいなら、ここでお前と死ぬ」と。

 彼女はそのままゴールドに自身の手持ちたちを託し、崩壊するビルにサカキと共に残ろうとする。

 しかし寸でのところでシルバーはゴールドに、サカキはワタルによって救出された。

 

 シルバーは語った。

「自分はここでサカキと共に死ぬ運命だった」

 彼女には未来予知の能力があり、それで自身が死ぬ未来を視たのだと言う。

 だがその結末が覆され、新たな未来の分岐が広がった。

 自身の命を願い守ってくれたゴールドたちのために、シルバーは彼らと生きていくことを決意した。

 

 

 こうして、R団残党による事件は幕を閉じたのだった。