リクとウミの狭間で。


 

 ジョウトで起こったロケット団残党による事件から一年。

 ジョウトからホウエン地方に引っ越してきた少年・リクヤは、オダマキ博士の娘・ミウミと出逢う。

 意気投合した二人はそのままホウエンを巡る旅に出ることになった。

 

 

 しかし穏やかで楽しいはずの旅は一転、マグマ団・アクア団と名乗る悪の組織の企みに、彼らは巻き込まれてしまう。

 その途中で、リクヤには不思議な力……ポケモンと話せる能力が芽生える。

 今までと違う生活、今までと違う自分に振り回されながらも、ミウミの支えによってリクヤはホウエンを守るための戦いに身を投じることになる。

 

 

 同じ頃、シルバーが視た未来を変えるため、ゴールドとシルバーがホウエンにやって来た。

 R団による一連の事件のトラウマから、悪の組織の起こす事件に怯えを見せるシルバーを時に励まし時に守りながら、ゴールドはリクヤたちに合流する。

 ゴールド、シルバー、リクヤはかつては同じワカバに住んでいた友達同士だったが、リクヤは親の都合で他の町へ引っ越して行ったという。

 ホウエンで半ば偶然再会できたことを喜ぶのも束の間、マグマ・アクア両団が正面衝突。

 二つの組織は眠りについていた古代ポケモン・グラードンとカイオーガを目覚めさせてしまった。

 

 

 目覚めさせたカイオーガを制御できないアクア団に対し、マグマ団は捕らえていた「ポケモンの声を聴く能力」を持つ青年・アマヤにグラードンを制御させようとしていた。

 なんとアマヤはリクヤの生き別れの兄で、シルバー・ヒジリと共にR団に囚われていたところを逃げ出したのだという。

 駆けつけたリクヤの父親・センリが言うには、リクヤの両親が各地を転々としていたのはアマヤを探すためであったという。

 明らかになる事実に衝撃を受けるリクヤだが、暴れるグラードンとその「声」を聴いて憔悴しているアマヤを見て、彼らを助ける決意を固める。

 

 

 ポケモンの「声」を聴けるリクヤとアマヤ、そして伝説のポケモンを守護する一族の末裔であるシルバーが力を合わせ、彼らはグラードン・カイオーガを鎮めることに成功する。

 それに憤ったマグマ・アクア両団と戦闘になるも、集まったジムリーダーと四天王、チャンピオン、そしてリクヤたちの前に両団は壊滅した。

 

 

 アマヤを連れて、リクヤとセンリ、ミウミはミシロへ帰還。

 久しぶりに見る息子の姿に泣き崩れる母を見て、リクヤとアマヤもまた、涙を浮かべるのだった。